日本エステティック協会加盟 エステタイム

アトピー性皮膚炎とスキンケア

エステタイム顧問医師 庄野又仁先生のコラム

【山里丸~本丸】
大阪城公園の外周は比較的平坦ですが、本丸を抜けるコースは高低差があります。

写真(上)は、山里丸から本丸にかけての坂道。走るとしんどいですが、途中、山里口出枡形から見る本丸(右)(下)は、大変きれいです。

アトピー性皮膚炎について

アトピー性皮膚炎とは、ドライスキンを背景として、かゆみのある湿疹を主な病変とする疾患で、多くはアトピー素因※1という遺伝素因がベースにあります。
アトピー素因を有する場合、一見すると正常に見える皮膚であっても、冬季の乾燥など環境の変化で容易にアトピー性乾皮症となるためバリア機能が低下します。そこに、何らかのアレルゲンが侵入し、アレルギー性の炎症によって湿疹が出現し、アトピー性皮膚炎が発症します。

1.アトピー素因:気管支喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎など過敏症を主とする疾患を免疫学的に生じやすい体質のことをいいます。原因となる遺伝子が多岐にわたると考えられ、その組み合わせにより発症する場合と発症しない場合があります。

  • <アトピー性皮膚炎の診断基準>
  • ①掻痒があること
  • ②特徴な皮膚疹と分布
  • ③慢性・反復性経過をとる
  • 以上の3項目を満たすものをアトピー性皮膚炎と”診断”します

①の掻痒とは”かゆみ”のことです。③慢性・反復性の経過とは。症状が6ヵ月以上続く(乳児では2ヵ月)ことで、わかりやすい項目です。②の”特徴的な皮膚疹と分布”については、湿疹を主とする皮疹で、左右対称、年齢により変化する…など複雑な項目です。ここが診断のポイントになります。

乾燥によるバリア機能の低下

健康な皮膚においては、十分な量の天然保湿因子や脂質が存在し、皮膚から水分が蒸発しないメカニズムが働きます。また、外部からのさまざまな異物が侵入するのを防いでいます。

一方、アトピー性皮膚炎の皮膚は、天然保湿因子や脂質が減少し、乾燥肌になりやすい状態にあります。一度、乾燥肌に陥るとバリア機能が弱まり、アレルギーの原因となる異物(=アレルゲン)が侵入しやすくなります。バリア機能が弱まると、あらゆる刺激に弱くなってしまい、化粧品や金属などにもかぶれやすくなります。皮疹には痒みが伴うため、掻く行為を誘発し、バリア機能をさらに低下させます。バリア機能が低下すると、さらにアレルゲンが侵入しやすくなり、炎症を起こしてさらにかゆみが増す・・・というように悪循環に陥ってしまいます。

治療について

前述のように、皮膚の乾燥が発症の引き金になってきることを考えると、アトピー性皮膚炎において保湿というのがどれほど大切になってくるか、お分かりいただけるかと思います。
もちろん、一度掻き壊してジクジクしてしまった皮疹に対しては、ステロイド含有薬の外用が必要になりますし、強い痒みが持続する場合は、痒み止めの飲み薬(抗ヒスタミン薬)も併用します。そして、それらの治療が一段落すると、治療のバトンは、やはり保湿を中心としたスキンケアに渡ります。
アトピー性皮膚炎では、セラミドという細胞間脂質が健康な皮膚よりも大幅に減少していることが判明しています。皮膚の水分保持力はセラミドが8割以上を担っていると言われ、不足すると乾燥やバリア機能の低下に直結します。

保湿剤

保湿剤を選ぶ際には、どのような保湿成分が含まれているか検討することがまず大切になります。最も有効な保湿成分が先ほど出てきた「セラミド」です。セラミドはスフィンゴリピッド※2の一種であり、細胞膜や細胞間に存在します。ヒトの皮膚に備わっているセラミド2,セラミド3は、ヒト型セラミドとも呼ばれ、高い水分保持力を有しています。これらを成分とする保湿剤は、効果・安全性の観点から望ましいものと言えます。セラミド以外のスフィンゴリピッドにも高い水分保持力が認められ、保湿剤としては最適です。
スフィンゴリピッド以外の保湿成分としては、ヒアルロン酸、コラーゲン、ヘパリン類似物質、尿素、アミノ酸、グリセリンなどが挙げられます。これらの成分も水分を捕まえておくのに有効で、ヘパリン類似物質などは医薬品にも使用されています。ここに挙げた以外にも多くの保湿成分が発見され、化粧品に利用されています。
保湿の効果を判断する場合、保湿剤の使用感や塗った瞬間ではなく、2時間、3時間…と時間が経過した後にも潤いが維持できているか、を基準にします。
※2.スフィンゴリピッド:分子構造の中に親水基を持ち、水と結合しやすい。細胞間脂質の主な構成要素。

心理社会的要因

アトピー性皮膚炎は生活環境が大いに影響します。ストレス、体温上昇、汗、寝不足、疲労などは悪化因子の代表的なもので、心理社会的な要因も含まれます。つまり、アトピー性皮膚炎では、特別なアレルゲンが発症のきっかけとして関与しますが、その後の症状進行には特別な要因ではなく、日常生活が大きく関わります。すぐに、生活環境を変えるのは難しいですが、一つ一つの悪化因子を除去していくことが大切になります。

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