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円形脱毛症

エステタイム顧問医師 庄野又仁先生のコラム

ここ1ヶ月の間に、円形脱毛症のことで相談を受ける機会が数回ありました。特に季節性の病気ではないのですが、小さな脱毛斑で医療機関など受診せず、また、周りに相談できず御自身で悩んでおられる方が潜在的に多くいらっしゃるのではないかと考えます。

円形脱毛症について

円形脱毛症は一般的に、前駆症状無しに、円形~卵円形の境界明瞭な脱毛斑が出現する疾患です。大きさはさまざまですが、2~3cm程度のものが多く見られます。また、脱毛斑の皮膚に異常は認めず、主に頭部被髪部に発症しますが、顎ひげや眉毛などに生じることもあります。自覚症状がないため、ある日、突然気付くという経過を取ります。また、爪の異常(剥離・小陥凹・混濁)を同時に認めることがあります。

原因について

結論から述べると、はっきりした原因は解明されていません。原因として推測されている代表的なものが、精神的ストレス・自己免疫疾患・内分泌異常・遺伝です。

最も信憑性を帯びて言われているのが、ストレスによるものです。ストレスと言っても職場・家庭での精神的ストレスから肉体的疲労、不安・緊張、感染症の罹患までさまざま存在しますが、円形脱毛症では本人が気づかない精神的ストレスの関与が疑われています。大きなストレスを受けると、交感神経が活性化し、血管を収縮させ心肺を早く動かし代謝が活性化します。そうすることで、身体がストレスと闘う準備状態になります。すぐに元に戻れば良いのですが、長くストレスに晒されると、毛細血管が収縮し頭皮の血流が悪くなり、血液循環不全のため毛根に栄養が行き届かず、脱毛が起きる…と考えられています。

次に有力視されているのが、自分で自分を攻撃する自己免疫によるものです。円形脱毛症の脱毛斑やその近接部(特に、赤みを帯びているところ)において、皮膚の一部を採取して病理組織検査を行うと毛包周囲に多数のリンパ球が集まっている所見が見られます。アトピー性皮膚炎やアレルギー疾患、膠原病に円形脱毛症を併発することが比較的多いことも、自己免疫疾患による発症を示唆するものと考えられています。ただ、疾患特異的な自己抗体は発見されていません。

次に、内分泌異常による円形脱毛症です。特に、甲状腺機能異常に伴う甲状腺ホルモンの関与が指摘されています。実際、甲状腺疾患が治癒すると円形脱毛症も遅れて治ることがあるため、甲状腺ホルモンの関与が注目されています。その他にも、脳下垂体ホルモンや性ホルモンのバランス異常による円形脱毛症の発症メカニズムも示唆されていますが、いずれもEvidenceは存在しません。

最後に遺伝です。円形脱毛症患者の祖父母・両親・兄弟姉妹・親戚などを調査した海外の報告例では、親等が近くなるに伴い、その発症率も高くなるということが示されています。ただ、どの遺伝子が関与しているかなど肝心なところは解明されておらず、遺伝の中には自己免疫疾患に罹患しやすい素因や精神的ストレスを受けやすい素因なども含まれており、先ほどの諸説とOverlapする部分がでてきます。

診断と治療

診断は、その特徴的な症状と経過から比較的簡単です。特に、円形脱毛症の進行期では脱毛斑辺縁が淡い赤みを帯び、炎症が起きていることがわかります。また、脱毛斑辺縁部の毛を引っ張ると容易に抜けることも特徴的な所見です。回復過程に入れば抜けなくなります。ダーモスコープという特殊なルーペで診断したり、皮膚の一部を採取して病理組織検査を実施したりすることもあります。

特にBackgroundにある問題が無ければ、数ヶ月で自然治癒します。また、サイズが拡大しなければそのまま様子を見るだけで良い場合もあります。再発性のものや拡大傾向にあるものでは、さまざまな治療法が試みられています。まずは、育毛剤の使用です。そして、リンパ球の毛包への攻撃を抑えるためステロイドや免疫抑制薬を外用します。セファランチンというツヅラフジ科の植物アルカロイドに、生体膜安定化作用や免疫調整作用、血流促進作用があり、円形脱毛症の治療薬(粉末・錠剤)として保険適用になっています。

さらに、紫外線を当てたり、ドライアイスや液体窒素で刺激を与えたり、SADBEという人工的に皮膚にかぶれを生じさせて毛の再生を図る局所免疫療法などが試みられています。また、脱毛に対する不安感に対し精神安定剤などを使用するケースもあります。

円形脱毛症は、医学的には生命にかかわるような病気ではなく、感染性もないため、比較的軽く考えられがちです。しかし、罹患当事者にとっては、「今後どんどん大きくなっていくかもしれない…。いつ治るか検討もつかないし、原因もはっきりしない。」と不安ばかりが膨らみます。整容的な面からも人と接するのが嫌になったり、外出するのが嫌になったりするなど、行動の変容が見られます。それほど、本人や周りで支えている家族には非常に大きな精神的ダメージを与える病気です。また、社会的に病気としての認識や理解が薄いため、不用意な発言で傷つけてしまう事やいじめの原因になってしまう事など根深い問題にもつながります。したがって、直接的な治療以外にも、患者本人の不安を軽減させ、周囲の理解を促し、メンタル面でのサポートを根気よく行っていくことが重要になってきます。

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