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血管年齢を若く保つために

エステタイム顧問医師 庄野又仁先生のコラム

血管力

体の隅々にまで枝を伸ばし、酸素や栄養を運んでくれる血液を巡らせる血管。普段、意識することはほとんどない臓器ですが、血液を滞りなく運ぶというのは極めて大切なことです。特に、脳や心臓など生命に直結する部分の血流が途絶えると、たちまち重篤な状態に陥ります。
血管がしなやかで弾力がある状態が理想的ですが、年齢とともに硬くなり柔軟性が失われていきます。健康診断でも、ある程度は動脈硬化を測定はできますが、異常が指摘されなくても、実際には徐々に動脈硬化が進み、突然、脳卒中や心筋梗塞を発症することも稀ではありません。病気知らずで健康に自信がある方も要注意。
血流が滞ることで問題となるのは、脳や心臓だけではありません。骨粗鬆症や肩こり、肌や毛髪の乾燥など、骨や筋肉、肌細胞や髪の毛にまで影響が出てきます。
思わぬ危機(血管事故)を避けるためにも、身心機能の向上のためにも、普段から血液をスムーズに全身に届けられる「血管力」を磨く事が大切です。

血管年齢

A man is as old as his arteries.(William Osler:アメリカの医学者)という言葉がありますが、「人は血管とともに老いる。」と訳されます。動脈硬化と老いとの関係は、古くから関心事でありました。
最近では「血管年齢」という言葉をよく聞くようになりましたが、指先の脈波を解析することで大まかな血管年齢を測定できる検査機器も出てきています。
従来は、一度硬くなってしまった血管は元に戻らないと思われていましたが、努力と工夫でもって若返らせることがわかってきました。

からだと血管の柔軟性

体のかたい人は血管がかたく、体のやわらかい人は血管もやわらかいという傾向にあります。これは、①コラーゲンの糖化という現象と、②筋肉内に中小血管が密に張り巡らされていることから、説明がつきます。

コラーゲンの糖化とは、高血糖や運動不足などが原因で、筋肉内に存在する膠原繊維(コラーゲン)がAGEsという物質によって固くなってしまう現象のこと。
AGEsは、Advanced Glycation End Products(終末糖化産物)の略で、タンパク質と糖分が結合したものを指します。様々な形態の糖化タンパク質が存在するため、複数形のsを付けてまとめてAGEs(エージス)と呼びます。
AGEsが、コラーゲンを構成するタンパク質同士を結合させる接着剤のような働きをしてしまい、コラーゲン線維が柔軟性を失っていきます。

さらに、筋肉の組織内には血管が縦横無尽に張り巡らされています。これは、筋肉の働きを考えるとごく自然なことで、酸素や栄養素を十分に供給できるように設計されています。血管自体が筋組織の一部とも言えます。血管自体が硬くなってしまうと、筋肉もしなやかさを失い、体の柔軟性が損なわれることになります。

血管力を上げる2つのスイッチ

血管の壁は、内側から内膜(=血管内皮細胞)、中膜(=平滑筋)、外膜の3層から構成されています。
ストレッチで筋肉を伸ばす刺激が加わると、内膜を構成する血管内皮細胞にスイッチが入り、NO(エヌ・オー:一酸化窒素)という物質が放出されます。このNOは血管組織の緊張をゆるめ、血圧を下げたり、血管内腔を広げたりすることで、動脈硬化にブレーキをかけてくれます。
このNOの作用は切れ味がよく、狭心症の治療薬(ニトログリセリン,硝酸イソソルビドなど)としても利用されています。

もう一つ、ストレッチでスイッチが入るのが線維芽細胞です。線維芽細胞は、皮膚や筋肉、骨に至るまでわりと豊富に存在している細胞で、必要に応じてコラーゲンなどの線維を生み出す役割を担っています。“必要に応じて”というのがPointで、ストレッチにより張力(ひっぱる力)がかかり、耐えられなくなった古いコラーゲンや、糖化コラーゲンはさらに傷んでしまいますが、線維芽細胞が新しいコラーゲンに作り替えてくれます。

メタボと血管年齢

メタボと血管年齢は一見無関係のようにも思われますが、メタボ(特にお腹まわりの脂肪)は、血液の流れを悪くし血管年齢の老化のスピードを加速させます。というのは、脂肪細胞が肥大化すると、血圧上昇ホルモン(アンギオテンシノーゲン)及び、血糖上昇ホルモン(TNF-αやレジスチンなど)が分泌され、血圧や血糖値が上昇し、血管への負担が増大。その負担に対応するために、血管壁の組織は分厚く肥大化し、しなやかさを失ってしまいます。また、血糖値の上昇は先ほどのコラーゲン糖化につながり、メタボが血管年齢に深く関与していることがわかります。
逆に、メタボを解消するとそれだけで血管年齢を若返らせることができると言えます。そして血管年齢が若返ることは、そのままアンチエイジング(抗老化)につながります。腹部(お腹まわり)や、臀部(おしり)、大腿(太もも)など、脂肪組織が集まる箇所が、実は血管年齢にとって重要な場所と言えるでしょう。

血管年齢を若く保つために

3月は梅が満開で、いい香りがします。少しずつ暖かくなり、五感を通して春の到来を実感します。