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めまい Part 1

エステタイム顧問医師 庄野又仁先生のコラム

梅雨が明け、猛暑の季節がやってきました。あまりの日差しの強さと湿気で“めまい”の症状で救急搬送される方もいます。
一口に“めまい”といっても原因は多岐にわたります。また、人によって感じ方や表現が異なり、中には危険な病気が隠れているケースもありますので注意が必要です。

めまい

めまいのType

めまいの感じ方により回転性のめまい(vertigo)と非回転性のめまい(dizziness)に大きく分けられます。回転性のめまいでは、文字通り自分自身の周りの景色がグルグル回る、地面が傾くなどと感じられることが多く、身体のバランスが保てなくなります。同時に嘔気を伴うこともあります。
非回転性めまいは、それ以外のものになりますが、比較的多い感じ方としてはグラグラ揺れる、フワフワして地に足がついた気がしない、酔った感じがする(動揺性・浮動性めまい)…といった愁訴があります。

めまいの病巣による分類

回転性/非回転性というめまいの分類は本人の感じ方で判断されますが、別の切り口で、めまいを引き起こしている病巣によって“前庭性めまい”と“非前庭性めまい”に大きく分けられます。

【前庭(vestibule)】
鼓膜よりさらに奥にある内耳の一部。蝸牛(渦巻管/音を感じる器官)と三半規管(回転運動の平衡感覚を感知する器官)のちょうど間にある“骨でできた2つの空間(球形嚢・卵形嚢)”を指します。空間を内張りする形で有毛細胞という感覚上皮と耳石が存在し、垂直方向、水平方向の加速度を感知し、三半規管と共に平衡感覚を感知します。

“非前庭性めまい”には、不整脈や血圧変動、起立性低血圧等で脳血流が低下して生じるめまいのほか、低血糖や更年期障害、うつ病、ストレスにより引き起こされるめまい等が含まれます(広義のめまい)。
本稿では“前庭性のめまい”を扱いますが、前庭性めまいは、内耳から前庭神経以降の末梢が原因となる末梢性めまいと、脳や脊髄など中枢神経が原因となる中枢性めまいに大きく分けられます。

<1>末梢性めまい

末梢性めまいには、メニエール病、三半規管内などで耳石が浮動して生じる良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎などがありますが、詳細は後述(次稿)とします。
末梢性のめまいでは激しい回転性のめまいを訴えることが多く、耳鳴りや難聴などの聴覚異常(蝸牛症状)をともなう場合が多く見られます。
悪性の病気は頻度的には少ないですが、めまいの症状が激しいので、対症療法を中心に行っていきます。

<2>中枢性めまい

中枢神経の中で主に小脳、脳幹など平衡感覚を司る部分が出血や梗塞などでダメージを受けて生じるめまいで、先ほどのフワフワする、グラグラするなどと表現される浮動性めまい(非回転性めまい)を訴えることが多く見られます。
こういった場合、病巣が複数または拡大することがあり、生命に関わることもあるため、危険なめまいとして注意が必要です。

危険なめまい

めまいの原因は様々ですが、特に中枢性のめまいは生命に関わることがあり注意が必要です。高齢化に伴い頻度も高くなりつつあります。
脳への血流は頸動脈(内頚動脈)と椎骨動脈の2つのルートから供給されます。そのうち小脳や脳幹に血流を供給するのが椎骨動脈になります。
椎骨動脈は頸椎の左右を上行する2本の動脈からなり、延髄に到達した後1本に合流し脳底動脈となります。これらの動脈から枝のようにわかれ分布する動脈が破裂したり、詰まったりすると小脳出血や脳幹部出血、小脳梗塞や脳幹部梗塞を発症します。
さらに、分布する動脈の種類により病変の部位が異なり、出てくる症状も変わってきます。

危険なめまいの兆候

急に発症した浮動性のめまい(非回転性のめまい)で、症状がひかないものは注意していく必要があります。
糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病を持っているかどうかも参考になります。そして、耳鳴りや難聴など聴覚障害がないもので、麻痺やしびれなど神経症状が伴う場合は、危険な中枢性めまいを疑います。
ただし、回転性めまいを伴う中枢性めまいも存在するため、回転性めまいを訴えているから危険ではないということにはなりません。医学的には“眼球振盪(眼振)”という、何も刺激が無い状態での異常な眼球運動のタイプからおおよその病巣が予測できます。眼振は何かを見つめていると検出されにくいため、医療機関ではFrenzel眼鏡という強い凸レンズの眼鏡をかけ、焦点が合わない状態(非注視下条件)で検査します。そうすることで眼球が拡大され、かつ眼振が検出されやすくなります。
また、設備面で可能であるならば、MRIやCTなど画像診断で脳出血や脳梗塞などを診断する事もあります。

めまいの分類と危険なめまいについてご紹介しましたが、めまい症状が軽度だからといって危険なめまいを否定することはできません。
逆に、グルグル回転し、嘔吐を繰り返すような重度のめまい症状であっても、リハビリだけで治る良性のめまいも多くあります。
つまり、めまい症状の重症度と原因となる病気の重症度は一致しません。この点にも注意が必要です。