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尋常性ざ瘡(ニキビ)Part2

エステタイム顧問医師 庄野又仁先生のコラム

季節の変わり目で、寒暖差の激しい時期になりました。気温も高くなり、晴れた日には体も動きやすいという方が多いと思います。一方、そのような日は、花粉の飛散量も多くなり花粉症の方には、大変つらい一日になってしまいます。以前、スギ花粉エキス舌下液であるシダトレン®(鳥居薬品)による減感作療法についてお伝えしましたが、効果発現まで年単位の時間がかかるため、今頃の差し迫った時期には、ヒスタグロビン®(=ヒスタミン加人免疫グロブリン製剤/化血研)の皮下注射により、最短で3週間程度の期間で減感作療法を行う治療法を受ける方もおられます。メリットとしてはスギ花粉症だけではなく、アレルギー性鼻炎全般、血管運動性鼻炎、アレルギー性皮膚疾患(アトピー性皮膚炎やじん麻疹)など幅広く効果が期待できることが挙げられます。一方、デメリットとしてはやはり注射ということで痛みが伴うこと、実際の効果については個人差がかなり出てくる点が挙げられます。また、ヒスタグロビン®は、処方箋医薬品の中でも“特定生物由来製品”と呼ばれ、輸血などと同じく“ヒト血液を原材料としている”事に由来する感染症伝播のリスクを100%排除することができない注意点が挙げられます。
以上のような、薬剤による花粉症治療については、はじめから自己判断せずに、まず自分自身の生活スタイルや治療ニーズを見極め、医療スタッフと相談しながら、様々な治療法のメリット・デメリットを十分勘案し、最終的に選択していくのが良いでしょう。

尋常性ざ瘡(ニキビ)

前稿では、ニキビの発症メカニズムについて御紹介しました。本稿では、本邦において治療の基礎となるガイドラインに沿ったニキビ治療の考え方・治療法を御紹介したいと思います。

ニキビ治療のガイドライン

国内においてニキビの治療は、2008年に日本皮膚科学会が策定した「尋常性痤瘡治療ガイドライン」を基本に実施されています。このガイドラインには、治療アルゴリズムというフローチャート形式に沿って、推奨される治療法がわかるようになっています。ホームページなどで公開されているため、誰もが閲覧可能です。
また、個々人により体質や生活環境などにバリエーションがあるため、個々人の心理社会的要因を考慮して、きめ細かい治療になるよう配慮されています。

治療アルゴリズム

ガイドラインに沿った具体的な手法を見ていくと、大きく4つのStepを踏むことになります。
その中で、ニキビの状態をローマ数字のⅠ~Ⅳで区分します(この中で区分Ⅱだけ、重症度に応じてⅡa~Ⅱdの4段階に分けられるため、Totalで6つの状態に区分されます)。それでは順にみていきましょう。

<Step1>【主たる皮疹は何かを判定】
実際に皮膚の状態を見て、トラブルとなっている皮疹の性状を把握します。大まかに4つの段階に分けられます。

Ⅰ面皰
皮脂の出口が塞がれ、蓄積した皮脂により生じる非炎症性丘疹

Ⅱ丘疹・膿疱
アクネ桿菌が皮脂で増殖し、体の免疫が反応し闘っている状態。炎症性丘疹

Ⅲ少数の嚢腫/硬結を含むもの
炎症性丘疹が慢性化し、周辺組織が固くなった状態

Ⅳ瘢痕/ケロイド
炎症は収まるも、組織が破壊され皮膚の設計図が無くなり元の状態に戻れない状態

<Step2>【Ⅱ 丘疹・膿疱の重症度を判定】
片側の炎症性皮疹の個数から、以下のように4段階に区分します。

Ⅱa:軽症 炎症性皮疹が5個以下

Ⅱb:中等症 炎症性皮疹が6個以上20個以下

Ⅱc:重症 炎症性皮疹が21個以上50個以下

Ⅱd:最重症 炎症性皮疹が51個以上

<Step3>【Clinical Question(CQ)と呼ばれる設問に設定された治療法の選択】
これまで蓄積されたニキビ治療に関する文献のEvidenceが検討され、それを元にClinical Question(以下、CQ)という一問一答の様な形式で、ニキビの各段階・各病態の治療法の推奨度が記載されています。各区分をもとにCQを参照し、個々人の背景を十分考慮し、推奨度の高い治療法を選択していきます。ニキビは幅広い症状を呈するため、CQはガイドラインでは実に36項目も設定されています。また推奨度は、以下の5段階に分類されています。

【推奨度の分類】

A  行うよう強く推奨する

B  行うよう推奨する

C1 良質な根拠は少ないが,選択肢の一つとして推奨する

C2 十分な根拠がないので(現時点では)推奨できない

D  行わないよう推奨する

bに対してCQが設定され、治療法として推奨度の高い順からA:抗菌薬内服,A:抗菌薬外用,A:アダパレン外用,C1:ケミカルピーリング,C1:NSAID外用、とAnswerがあり、推奨度も併記されているので、どんな治療法を優先的に行っていくべきか解かりやすくなっています。