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肺炎球菌ワクチンと定期接種

エステタイム顧問医師 庄野又仁先生のコラム

12月に入り、連続した強烈な寒波が襲来しています。厳しい寒さの影響で、生体に強い負荷がかかり、体全体の免疫力が低下する季節です。また、エアコンなど暖房器具などを使用することで、室内が乾燥し、粘膜の抵抗力が減弱することに注意が必要です。粘膜の抵抗力が弱まるとウイルスや細菌が侵入しやすくなり、感冒やインフルエンザ、胃腸炎などの感染症に罹患しやすくなります。
朝起きたら声が出ないぐらい喉が痛い、胃腸の調子が悪く下痢が続くなどの症状などは、それぞれ呼吸器系粘膜と消化器系粘膜が関係しています。
うがい・手洗いの基本的な予防以外にも、加湿器の使用、こまめな水分摂取、食事内容、衣類などに気をつけて、厳しい寒さの年末年始を健康に乗り切って下さい。

肺炎球菌ワクチンと定期接種

肺炎の疫学

肺炎は高齢者や免疫力の弱っている方に発症すると急激に症状が悪化し、命を落とす危険のある病気です。肺炎は2012年厚労省の人口動態統計によると、日本人の死因の第3位に位置付けられ、肺炎予防が注目されるようになりました。

肺炎の原因とワクチンの定期接種

日常生活でかかる肺炎(市中肺炎)の原因病原体として多いのは、肺炎球菌、インフルエンザ桿菌、ウイルス性肺炎(総称)、クラミジア、マイコプラズマでこの5種類だけで7割近くを占めます。
なかでも、肺炎球菌は25%近くを占めており、ワクチンの接種が実施されてきました。先述のごとく、高齢化が進むにつれて肺炎による死亡数が上昇し、ワクチン接種の重要性が再認識されるようになり、2014年10月1日から成人用肺炎球菌ワクチンの定期接種がスタートしました。
定期接種のワクチンは、国や自治体が接種を強く推奨しているワクチンで、接種を受ける側にとっては、助成を受けることができるワクチンで、経済的負担が非常に軽くなります。(定期接種に対し、任意接種では基本的に費用は基本的には全額自己負担になります。)

ワクチンの種類

肺炎球菌ワクチンは、ニューモバックス®NP(MSD株式会社)とプレベナー13®(pfizer株式会社)の2種類があります。本稿では、10月1日より最初に定期接種が承認されたニューモバックス®NP(西田敏行さんのCMを何度か目にした方もいらっしゃると思います。)に関して解説していきたいと思います。

定期接種の対象となる方

定期接種の対象者は以下の2項目を満たしている方です。
①今までニューモバックス®NPを接種したことが無い方。
②平成26年度に以下の年齢になる方

65歳 昭和24年4月2日生~昭和25年4月1日生までの方 70歳 昭和19年4月2日生~昭和30年4月1日生までの方
75歳 昭和14年4月2日生~昭和15年4月1日生までの方 80歳 昭和9年4月2日生~昭和10年4月1日生までの方
85歳 昭和4年4月2日生~昭和5年4月1日生までの方 90歳 大正13年4月2日生~大正14年4月1日生までの方
95歳 大正8年4月2日生~大正9年4月1日生までの方 100歳以上 大正4年4月1日以前にお生まれの方

※上記表とは別に、60歳以上65歳未満で、心臓・腎臓や呼吸器の機能、HIVによる免疫機能に障害を有する方も対象になります

平成27年度は、上記の表に該当する方の1年後生まれの方が対象になります。このようにして、平成30年度までの間に1人1回、定期接種の機会を設ける制度となっています。

注意点

ワクチン注射後に、接種した部位が赤く腫れたり、熱を持ったり、時に疼痛が出現することがありますが、通常3日間程度で軽快しますので心配は要りません。
ただし、過去5年以内に、ニューモバックスNP®のワクチン接種歴がある場合、2度目のワクチン接種で注射部位の腫れ、熱感、疼痛などの副反応が、初回接種に比べ高頻度で生じ、その症状も強く発現するとの報告があります。したがって、接種歴は必ず確認する必要があります。このワクチンは毎年接種するインフルエンザワクチンとは異なり、仮に複数回接種する可能性のある方は約5年以上の十分な間隔をあける必要があります。
そのため、現在、ニューモバックス®NPを接種した方には、23価肺炎球菌ワクチン接種済カードや手帳に張るシールが渡されます。

肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌による感染症を予防するワクチンであり、他の病原体を原因とする肺炎を予防するワクチンではありません。
また肺炎を予防するには、病原体が体に入り込まないよう基本的な標準予防対策を習慣付けることが最も大事になります。
すなわち、うがい・手洗い・マスクの着用や、誤嚥を防ぐ・禁煙・持病の管理など一日一日の日常生活の中に予防のポイントがあります。
これから、さらに空気が乾燥した寒い季節になります。肺炎だけでなく感冒、急性気管支炎、インフルエンザなど呼吸器に関わる感染症に加え、感染性胃腸炎などに罹患しやすくなりますので、普段から予防を心がけて、健康に冬を過ごせるようにしましょう。