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認知症へのアプローチ①

エステタイム顧問医師 庄野又仁先生のコラム

5月に入り暦の上では、はや立夏となりました。皆様、紫外線対策はもうはじめておられるでしょうか?
地上に届く太陽光に含まれる紫外線は、私たちの肌に大きな影響を及ぼします。紫外線は波長により3種類に分かれ、波長の長い順に、UV-A、UV-B、UV-Cと呼ばれています。この中で特に注意を要するのが、5月から照射量が急増するUV-Aです。波長が長いため透過性が高く、オゾン層をすり抜け、大気や雲をすり抜け、窓ガラスをすり抜け、衣類をすり抜け、表皮をすり抜け、真皮や皮下組織にまで達します。真皮や皮下組織に達したUV-Aは、肌のハリや弾力の要であるコラーゲンやエラスチンを作り出す繊維芽細胞に損傷を与え、光老化現象を引き起こします。忘れておられる方は今からでも遅くはありません。5月は紫外線対策をスタートさせましょう!

認知症へのアプローチ

本稿では、多くの方が非常に関心を持っている認知症についてお話したいと思います。

認知症の現状

厚生労働省研究班の調査の結果、2012年65歳以上の認知症患者は推計462万人であり、高齢化が加速度的に進行している現在、今後さらに増加すると考えられます。認知症の診療は、ここ20年の間に大きな変化がありました。90年代以降、頻度の高いアルツハイマー型認知症や血管性認知症以外に、レビー小体型認知症の疾患概念が確立したことに加え、MRIや脳血流SPECT検査など画像検査の進歩がありました。また、1999年には塩酸ドネペジル(アリセプト®)が発売され、認知症は治療する疾患という認識が出てきた事、そして2000年には介護保険制度がスタートしました。

ただ、認知症は現在においても全容の解明には程遠く、検査や薬だけで根治することはできないため、医療とともに介護に大きく依存せざるを得ない状況が続いています。2013年度から始まったオレンジプラン(認知症施策推進5か年計画)では、早期診断や早期対応、介護とのスムーズな連携が図れるよう医療と介護に様々な重点施策が盛り込まれています。認知症は、家族を含め、医療と介護、地域社会全体で対応しなければならない大きな課題として位置づけられています。

認知症の中核症状

認知症の症状には、知的機能低下の影響が直接現れる『中核症状』と、それに伴って生じる『周辺症状』にわけて把握されます。中核症状は認知症患者には必ず見られる症状であり、以下の4症状が代表的なものとして挙げられます。

1.記憶力障害
例)食事をしたばかりなのに、食べたことを忘れてしまい、まだ食事をしていないと思い込む。置き忘れや、しまい忘れが目立つようになった。

2.見当識障害
例)本来ならば、慣れている場所や人でも『いつ・どこ・だれ』が判らなくなり、どうすればいかわからなくなる。慣れている散歩コースで道に迷ってしまった。

3.判断力低下
例)真夏に厚着をしていたり、真冬に薄着のままでいたりと、簡単な判断ができなくなった。テレビや映画の内容が理解できなくなった。

4.実行力低下
例)自動販売機の前に立っても、何をどうすればいいかわからず、まごついてしまう。5年以上続けている日課をやめてしまった。

以上が中核症状の例ですが、これらが互いに重複して症状が出る場合も多々あります。そして、実際に家族や介護者の負担が大きく、問題になるのは、様々な対応が必要になってくる『周辺症状』です。

食事を摂る際の工夫

認知症の周辺症状は、認知症の症状の基盤となる『中核症状』の記憶力障害・見当識障害・判断力低下・実行力低下から二次的に起こる症状で、以前は『迷惑行動』とも呼ばれていました。
その症状は『行動症状』と『心理症状』に分けられます。1996年の国際老年精神医学会が提唱したBPSD(Behavioral psychological symptoms of dementia/認知症の行動心理症状)がその病態をよく表しており、今ではBPSDと呼ばれることが多くなりました。
本稿でも周辺症状は以降BPSDと呼称します。BPSDは、認知症の症状が軽度から中等度に進行すると多く出現するようになりますが、出現の仕方や程度にかなり個人差があり、家族を中心として介護者は様々なBPSDにきめ細かい対応を迫られることになり、中核症状よりもBPSDの方が介護者にとっては負担が大きい場合が少なくありません。BPSDには実に様々なものがあり、以下のような症状が例として挙げられます。

行動症状
暴力、暴言、徘徊、拒絶、不潔行為など

心理症状
幻覚、妄想、不安、抑うつ、睡眠障害など

BPSDの特徴と認知症の原因疾患

BPSDは、認知症の原因となる疾患によって、どの症状が出現しやすいか、ある程度傾向があります。
認知症の原因となる疾患は多くありますが、その中でも頻度の高い4疾患として(頻度が高い順から)
1.アルツハイマー型認知症
2.脳血管性認知症
3.レビー小体型認知症
4.前頭側頭型認知症(ピック病)
が挙げられます。
アルツハイマー型認知症では、うつ・妄想・易刺激性が生じやすく、脳血管性認知症は傷害された血管の支配領域により症状が異なります。レビー小体型認知症では、妄想・幻覚が出やすく、前頭側頭型認知症では、異常行動が性格変化などが出やすいという傾向があります。それぞれが一対一で対応するわけではありませんが、唯一、どの病型にも高頻度で認められるのが『無為・無関心(アパシー)』と呼ばれる症状です。高頻度なわりに周囲に負担があまり掛からないことから、気付かれない傾向があります。

今回は、認知症の中核症状と周辺症状(BPSD)、および原因疾患についてのお話でした。次回は、最近の治療法や画像検査、現場での認知症への取り組みについてお伝えしたいと思います。